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機械制御、自動制御について勉強をするならこちら
「絵ときでわかる機械制御」も読んでおくと良いでしょう。
アマゾンのレビューでも評判いいですね。
著者の宇津木諭さんは、武蔵工業大学大学院修了の工学博士。武蔵工業大学、神奈川工科大学、科学技術学園専門学校などで講師をされていた方(出版当時)
私は、組込みシステムのソフトウェアエンジニアとして、自動制御というか、フィードバック制御を扱う仕事を始めるようになりました。
その仕事ための勉強の1冊としてこの本を読みました。
- ラプラス変換
- 過渡応答
- 周波数応答
- ブロック線図
- ボード線図
- インパルス応答
とか、そのような用語が仕事の中で出てきました。
用語の意味が良く分からなくて、勉強が必要になった時、読んだ本の1冊が「絵ときでわかる機械制御」です。
こちらの本のどこが良い点かというと、
用語の定義を分かりやすく説明しているところがポイントだと思います。
本書を書いたのは、大学の教授や講師をされている先生です。
学生さんに教えているだけあって、わかりやすく用語の説明がされています。
一部、難しい数式が出てきたりしますが、その辺は正直、さらっと読み飛ばしました。業務で必要な知識をサクッと身に着けるには難しい数式のページでとどまっているわけにはいけないからです。
自動制御系の用語の定義を知るには、本書は良いです。
目次
「絵ときでわかる機械制御」でメモった箇所
以下は、私が業務で使うために必要なこととしてメモった箇所を書いておきます。
本書は、こんな風に書いてあるということが少しでも感じていただけるかなと思って、ブログの公開記事でメモを書いています。
そもそも、ラプラス変換して何がいいの?
まずページ22ページ。
ラプラス変換とは何か?
その定義が書いてありました。引用します
ラプラス変換を用いると微分方程式は簡単な加減乗除の式、代数計算に変換することができる
特に自動制御の分野ではラプラス変換は制御系の時間的変動、過渡現象を知るための有用な道具でもある
ということで、ラプラス変換が何で必要なの?
っていうところが書いてあります。
簡単に言うと、
簡単に、時間的変動を知るための道具。
わざわざラプラス変換して、わけのわからない難しい数式をこねくりまわすのは嫌だ!
と思っていたのですが、実は逆。
難しい計算式使わなくても、簡単に時間的変動・過渡現象を理解するための手段ということ。
伝達関数は初期値=0
ページ66ページから67ページ
伝達関数の式の意味が書いてあります。
伝達関数の式は、
伝達関数=出力信号÷入力信号
っていうのは、どこの教科書でも書いてあります。
ただし、条件は、初期値=0
初期値が0の時だっていうことを意外と忘れがち。
この本ではしっかりと、
伝達関数は初期値=0の時、
っていうことがしっかり書いてあります。
周波数応答の考え方
次に109ページ
周波数応答の考え方です。
周波数応答とは?
という用語の定義が分かりやすかったので引用します
周波数応答とは、波形が過渡的な状況を脱し、定常応答となった時刻以降の応答をいい、
出力の振幅や位相から制御要素の動特性を検討する目的で利用される
また、110ページに周波数応答の考え方が書いてあります。引用します
入出力信号の振幅比、および位相φの角周波数ωに対する変化を調べることが周波数応答の解析
振幅と位相の変化を調べることが周波数応答の解析でやること
ということがわかりやすく書いてあります。
Excelで逆三角関数を求める式 ATAN2
115ページに表計算ソフトで逆三角関数の角度を求める、
つまり、位相を求める式が書いてあります。
G(jω) = x+ jy
の場合、
位相φ= tan-1(y/x)
表計算ソフトでは、
φ=ATAN2(x,y)
で計算することができることを知った。
ボード線図
119ページには、ボード線図のまとめが書いてあります。
- 積分要素では出力信号の大きさは1/ω倍で位相が90°遅れる
- 微分要素では出力信号の大きさはω倍となり、位相は90°進む
あと、コラムに書いてあったのですが、
古典制御理論と現代制御理論の違いについて書いてありました。
初めて知りました。
- 古典制御理論とは、1入力1出力を基本としている。
その一方で、
- 現代制御理論とは多入力か多出力の扱いが可能。
複素数の数式まとめ
最後の付録には、
高校で習った基礎的な数学の知識という内容が書いてありました。
基礎的とは言っても、私は高校でちゃんと勉強しなかったので、
はは~、複素数ってこういう扱いなんだ!
ってことが本書で勉強しました。
196ページ、197ページを読むと、複素数の式の意味が明確にわかります。
グラフも書いてあります。
例えば、
- 直角座標
- 極座標
- オイラーの公式
- ネイピア数e
- 複素共役
- 複素数の四則演算
図と公式が、簡潔にまとめてあります。
まとめ
「絵ときでわかる 機械制御」
ラプラス変換、周波数応答、ステップ応答とか、ボード線図、
そんな用語を勉強したいとなればこちらの本は役に立ちます。
図が豊富でわかりやすいです。
一部、詳しすぎて数式が難しいところもあります。そこはさらっと思い切って読み飛ばせば良いでしょう。
業務で使うのは実は、その中のほんの一部ってことが多いですから。
大学の勉強で、試験対策として本書を活用するなら、しっかりと細かい数式まで理解し、例題も解くとよいでしょう。
どちらにしても、学校でも業務でも役に立つ一冊であることは間違いないです。
読んでおいて絶対損はないです。