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組込みシステムの開発で、最近モーターを使うようになりました。
MOSFETでBLDCモータをインバータ制御する組み込みシステムを開発する知識が必要と思って、モータ制御関連の本で勉強をしています。
私のように、モーターを使う、モータのユーザーとしての勉強として最適だった本がこちら、
「入門モーター工学 インバータで駆動するこれからのモーターの仕組み」
が役に立つこと間違いなしです。
モーターの基本的な原理、モーターにはどういった部品が使われているか?
ということが書いてあります。
モータ自体を設計するエンジニア向けではありません。
モーターを組込みシステムに導入しようとするハードウェアエンジニアやソフトエンジニアが読んでおくべき本です。
モータ制御するソフトウェアエンジニア向けといったわけではありません。でも、モータを扱うソフトウェアエンジニアも読んでおいた方が良いでしょう。組込みシステムでモーターを使った動作確認やソフトデバッグをするとき、
ソフトのロジック以外の要因が不具合動作の問題発生源ということもあります。
インバータ周りや、モータ固有の特性による発生不具合とか。
ソフトとメカ側の組み合わせで動作確認をする必要がでてきます。
著者の森本雅之さんは、慶應義塾大学大学院修士課程修了。三菱重工業(株)勤務。工学博士。名古屋工業大学、東海大学教授など、複数の学校で教えてこられたベテラン先生。
インバータサージの原理
私がモータ制御の組み込みソフトをつくるうえでも役に立ったなという箇所をメモ書きしておきます。
85ページ
コラムです。
インバータサージはなぜ発生するのか?
といった内容が書いてあります。
インバーターの出力電圧が切り替わった時(MOSFETのON/OFF切り替わり)に、スイッチングサージが発生します。
振幅電圧と同等のサージが発生する原理について書いてあります。
詳しく私もうまく説明できないのですが、
簡単に言うと、
モーターのインピーダンスはケーブルのインピーダンスに比べてはるかに大きい。
そのため、インバーターから電圧と電流がモータに向かって進んでも、それが反射をして帰ってくる。
それによって、インバーターが制御された時のサージ電圧となる。
といった事が書いてあります。
うまく言語化できないのは、私の理解がまだまだ足りてない証拠。メモ書きとして写真貼っておくのが一番。
とにかく、本書の83ページ~85ページを見れば、サージが発生する原理のイメージが何となくであってもわかります。
モータから発生する騒音の聞き分け
モーターを扱ううえで意外とこれ大事なんじゃないかなっていうのが振動や騒音。
詳しい話は難しいので理解できないのですが、やっぱりここでも本書のコラムが役に立ちました。149ページ
モータに耳を近づけて発生する音で、
その音がどの部分や原因で発生しているかかが推定できるってことが書いてあります。
- ゴロゴロ、は、軸受けの摩擦音
- コツコツ、はスラスト方向の振動による音
- ひゅー、は内蔵のファンによる風きり音
- びー、は交流電源の周波数の2倍の音
- ぴー、は高周波の電磁加振力による音
なるほど、確かに、モーターを動かしてるとき、ウイーンとか、ピーとか、
回転速度によって音が変わったり、
あるいは不具合動作をするとガラガラと音がしたりとか、
します。
モータを組み込んだシステムを評価する上で、
音によって何が起きてるのか?
を判断する材料にもなり得るということがわかりました
まとめ
このように
「入門モーター工学」
は、モーターを使った製品を作る、組込みシステムを作る人にとって、
モータ自体の基礎的な知識を頭に入れておく意味で読んだ方がよいと感じた1冊です。
本書を細かく、1つずつ理解しながら読もうよとすると、なかなか難しい箇所があって先にすうまないかもしれません。
電磁気学の話とか。その辺はじっくり腰を据えて勉強しないといけません。
だからまずは、本書の使い方として、全体をさらっと読むのがいいと思います。
こんな仕組みでモーターって動くんだな、
モータはこんな造りになっているだな!
っていうのを理解することができます。
モータを扱うエンジニアは読む価値はありです。