三相モータの加速時と減速時で、相電流の波形に関しては、その「出方」が逆になるわけではありませんが、電流の大きさ、波形の特性、および電流と電圧の位相関係には変化が生じます。
3相モータの加速時と減速時では相電流の波形の出方が逆になる?
加速時:
- 電流の大きさ: 加速時には、モータはより多くのトルクを必要とするため、電流の大きさが増加します。
- 位相遅れ: 加速時、モータは通常、電源電圧に対して電流が位相遅れを起こします。これは、モータがエネルギーを吸収している(つまり、負荷として機能している)ことを意味します。
減速時:
- 電流の大きさ: 減速時、特に能動的な制動が行われる場合(例えば、再生ブレーキなど)、電流は方向を変えることがあります。
- 位相進み: 再生ブレーキを使用する場合、電流は電圧に対して位相進みを起こすことがあります。これは、モータがエネルギーを電源へ戻している(つまり、発電機として機能している)ことを意味します。
一般的な観点:
- 電流の波形: 加速時と減速時の電流の波形自体は逆になるわけではありませんが、その振る舞い(大きさや位相関係)は変わります。
- 負荷と発電状態: モータが動作するモード(負荷状態か発電状態か)によって、電流の流れる方向や性質が異なります。
これらの変化は、モータの制御方式や使用されるドライブシステムの種類(例:VFD、ベクトル制御等)によっても異なる場合があります。モータの動作原理や制御アルゴリズムを理解することで、これらの現象をより深く理解できます。