組み込みシステムとは何か?
組み込みエンジニアはどんな仕事をするのか?
組込みソフトウェア開発の実態は?
技術の用語だけでなく、組み込みシステムの開発現場の実態も知ることができます。
「トコトンやさしい組込みシステム」
本書を書かれたのは、坂巻 佳壽美さん。
2021年現在、70歳を超えている大ベテラン。8ビットマイコンの時代から活躍されていた
これから組み込みエンジニアになってみたいな
と思っている人にはぴったりの本です。
1ページ1ページ、テーマが分かれていて非常にわかりやすいです。
スポンサーリンク
そもそも、組み込みシステムとは何か?要件分析などの仕様設計とは
44ページに書いてあります。
組み込みシステムとは?
特定の用途の機能を実現する目的で、機械や装置などに組み込まれ、
一体となって動作するコンピュータシステム
これが組み込みシステムの定義のようです。
114ページ前後に、組み込みシステム開発現場の実態について書いてあります。
組み込みシステムに限らず、喜ばれて役に立つ製品とは、ユーザー目線に立った仕様になっていることが重要です。
開発者の自己満足や性能を保持するようなオーバースペックではだめです。
組み込みシステム業界では、システムハウスというベンチャー企業が頑張っていますが、ひとり相撲をとっているケースを見受けます。
高度な技術を追い求めるのもいいけど、
民間企業であれば、
お客さんから受け入れてもらえるもの、
儲かるものじゃないと事業が継続できないてなことが書いてあります。
組込みシステムの要件分析とは?
64ページに書いてあります
どのようなシステムを開発したいのか?
システムに対する制約条件、処理時間、物理的なサイズ、電池駆動かどうか?
などは、何か予算や納期はどの程度か?
そして、その要件分析をもとに設計仕様書として定義する。
- 具体的な機能として何を実現するのか?
- どのような機能、モジュールに分割できるのか?
- それぞれの機能の処理時間はどの程度か?
- ネットワークやその他のシステムとの相互作用はあるのか?
- 耐久性や信頼性はどの程度必要なのか?
こんなことを考えるのが、仕様の設計
「トコトンやさしい組込みシステム」から、メモった箇所
さて、私のように組み込みエンジニアを20年やっていても、
はずかしながらハード的な用語で知らないことがたくさんあります。
本書でよく理解できた内容を下記に書いておきます。
35ページ
電流の流れる方向と呼び方。
ソース電流は、IC から流れ出る電流。
シンク電流は、IC へ流れ込む電流。
これ、超基本的なことかもしれませんが、私は最近まで正しい意味を知りませんでした。
MOSFETを使ったモータ駆動制御のシステムを開発する業務をするときに、
やたらと、
ソース
シンク
って用語を周りから聞くようになりました。
そんな時、本書の説明で、
ソースとシンクの説明を読んで、意味がすーっと頭に入ってきました。
73ページ
周波数とプリント基板の損失について。
数十 MHz 程度までなら、集中乗数回路
線をつなげば必ず動く周波数領域。
それよりも超えて、数十MHz から数百 MHz を分布乗数回路という。
反射やクロストーク対策が必要となってくる周波数。
ボードを動かしながら動作確認をするときには、この辺りを覚えておくと良い。
AD 変換のサンプルホールドとは?
87ページ。
アナログ信号の値の変化が、 AD 変換器の変換速度より早い場合には、変換中に信号レベルが変化しないように AD 変換器とローパスフィルタの間にサンプルホールドを配置し、変換開始。
アナログ信号の値を変換中には固定する措置をすること。
まとめ
組み込みシステムとは、
特定の用途の機能を実現する目的のシステム
という定義。
汎用的じゃないからこそ、規模の大小にかかわらず組み込みシステムの種類は無数にあることがわかります。
いいかえると、組み込みシステムの仕事っていくらでもあるって考えることができます。
私も現場に20年いますが、組み込みシステムエンジニアやってて、仕事なくて困った~っていう経験はいまのところありません。
P.S
レバテックキャリアは、組み込み系エンジニアの募集も数多くありました。
登録は無料なので、とりあえず登録しておくのがよいです↓