モータ制御などで使うMOSFET(パワーMOSFET)のわかりやすい本ってないのかな?
と思って、ネットで探していました。
が、意外と、MOSFETに特化した本ってあんまりないんですね。
ないとは言っても、多少はありました。
私が読んだ2冊について、書いておきます。
まず、MOSFETについて、アナログ回路の設計者でなくても、
組み込みシステムのエンジニアでユーザとしてMOSFETを使う立場の人でも分かりやすいと思った本がこちら、
「よくわかるパワー MOSFET IGBT」
山崎浩さん著者。
入門者、初学者でも、比較的分かりやすいです。
そしてもう一冊が、MOSFETを使ったLSI設計をする人向け?
「CMOSアナログ回路入門」谷口研二さん著者。
ちょっと内容難し目。
以下、私がメモった箇所の抜粋です。本書がどんな風に書かれているかのご参考としてここに記録しておきます。
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本「よくわかるパワー MOSFET IGBT」
MOSFETを使った基板を動かすユーザー側のエンジニアがとっつきやすい本でした。
特に、
- 第2章のパワーMOSFETを上手に使うため
- 4章以降の応用技術、応用回路
が参考になりました。
私は、回路設計をするわけではない組み込みシステムのソフト寄りのエンジニア。
同じような立場の人であれば、第4章の応用技術だけを読むだけでも、本書を買う価値ありです。
私自身は、100ページ、101ページあたりが役に立ちました。
そもそも、MOSFETの充電電流、放電電流って何?
英語で言うと、チャージとか、ディスチャージっていうみたいですけど。
100ページの図で、イメージがつかめました。
101ページに、パワーMOS FET がオンにした時にゲートに流れる充電電流の動き。
一方で、オフした時に放電される動きが、視覚的に分かります。
それから第5章の応用回路。
古い内容であったり、ごく基本的なオーソドックスな回路なのかもしれません。
でも、モータ制御する基本的な回路の例として、MOSFET周りにつく部品がこんな構成になるんだ、
という理解につながります。
例えば、
171ページ。
PWM インバータのブロック図。
3相モータの制御、U,V,Wの3つをMOSFETを介して制御するハード構成がわかります。
本「CMOSアナログ回路入門」
ユーザー側としてはちょっと難しい本でした。
アナログ回路の設計者が読んで役に立つ本だと思います。
ユーザー側、ソフトエンジニアの立場として読むと内容は非常に難しかったです。
でも、各章の冒頭で、著者個人の体験談とか、例え話が書いてあって、そういう面では面白く読めるように文章を書いてくれています。
LSI設計者でなくても、動きのイメージをつかむためには、本書は役に立ちました。
例えば面白かったのが、
インパルス応答の説明の章の227ページ。
筆者が学生時代に下宿していた長屋では、隣の部屋の夫婦がよく喧嘩をしていました。
怒鳴り声や茶碗を投げつける音、人が倒れこむ音などが、壁や天井、床下を伝って聞こえてきました。
上の階の部屋からは、人の足音などの低い周波数のもの音だけが聞こえてくるのに、
隣の部屋からは人の声がよく伝わってきました。
インパルス応答の音の伝わり方っていうのが、
伝達媒体の種類によって違うということを、日常生活の具体例で書かれています。
日常生活を例えにして解説してあるのは分かりやすかったです。
まとめ
MOSFETに特化した入門書とか専門書って、探してもあんまりないですね。
私が読んだ2冊は貴重な本でした。
MOSFETのユーザー側としては、よくわかるパワーMOSFET IGBTを先に読むのがおすすめ。
設計者の立場で読むとしたら、CMOSアナログ回路入門も読んだ方がよいですね。
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