120度通電制御の電流制御で電流を取得する最適なタイミングは?

120度通電制御では、3相のモータの6つの状態(各相が正または負の電圧を持つ)が存在します。電流を取得する最も適切なタイミングは、次の点を考慮して決定する必要があります

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120度通電制御の電流制御で電流を取得する最適なタイミングは?

  1. 非通電相での測定: 電流を最も簡単に測定できるのは、非通電の相(フリーウィーリングの相)です。この理由から、電流のサンプリングは非通電の相が存在する時間窓に行われることが多いです。たとえば、A相とB相が通電されている場合、C相が非通電となりますので、この時点でC相の電流を測定します。
  2. ゼロクロス検出の後: BEMFのゼロクロス検出の直後に電流をサンプリングすると、電流の実際の値を正確に測定できる可能性が高まります。
  3. PWMのオフタイム: PWM制御を使用している場合、PWMのオフタイム中に電流のサンプリングを行うことができます。PWMのオンタイム中に測定を行うと、ノイズや測定誤差の原因となる可能性があります。
  4. 固定時間インターバル: システムの要求に応じて、固定の時間間隔で電流をサンプリングすることも考えられます。ただし、この方法は、特定のモータ状態や制御タイミングに合わせてサンプリングを行うよりも、精度が低い場合があります。

通電と非通電の区別なしに電流測定した場合、何が問題になる?

通電と非通電の区別なしに電流を測定する場合、以下のような問題が発生する可能性があります:

  1. ノイズ: PWMスイッチングのタイミングや通電中に発生する他の高周波ノイズの影響を受けやすくなります。特にPWMのオンタイム中に測定を行うと、ノイズや測定誤差の原因となる可能性が高まります。
  2. 計測値の不正確さ: 非通電相での測定が最も簡単であるのに対して、通電相での測定は電流の経路やモータの動作状態によって影響を受ける可能性があります。この結果、期待した電流値とは異なる測定値が得られることがあります。
  3. サンプリングのタイミング: 通電と非通電の区別なしにサンプリングすると、BEMFのゼロクロス検出やPWMのオフタイムなど、最適な測定タイミングを逃すリスクが高まります。
  4. 測定回路の設計: 通電中と非通電中の電流を同じ回路で正確に測定するためには、測定回路の設計が複雑になる場合があります。これは、コストや回路のサイズ、複雑さの増加を招く可能性があります。
  5. 測定の安定性: 通電中に電流を測定する場合、モータの動作や外部からの干渉などの影響を受けやすく、測定の安定性が低下する可能性があります。

通電と非通電の状態を区別して電流を測定することで、より正確かつ信頼性の高い電流値を取得できると言えます。モータ制御の性能や安定性を確保するためには、測定のタイミングや方法を適切に選択することが重要です。

まとめ

最終的に、電流のサンプリングタイミングはシステムの特性、要求仕様、使用している制御戦略などの要因に基づいて選択する必要があります。適切なタイミングでの電流測定は、高性能なモータ制御のための重要な要素です。

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