モータの電流制御フィードバックにおけるハンチング(オーバーシュートとアンダーシュートの繰り返し)は、制御ループのチューニングやシステム特性に関連しています。ハンチングを減少または排除するための一般的なアプローチを以下に示します
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モータの電流制御フィードバック(クローズドルード)でハンチングする時の対処方法
- ゲインの調整: 制御ループのゲイン(比例、積分、微分)を適切に調整します。多くの場合、比例ゲイン(Kp)や積分ゲイン(Ki)が大きすぎるとハンチングが発生します。ゲインを小さくして、モータの応答を観察しながら徐々に調整するのが良いでしょう。
- 微分制御の追加: 微分制御(Kd)を導入することで、ハンチングの影響を抑えることができます。ただし、微分制御はノイズに敏感なので、ノイズフィルタリングの追加を検討する必要があります。
- フィルタリング: ハンチングの原因として、センサーノイズや外部からの干渉が考えられます。これらのノイズを軽減するために、ローパスフィルタや他のフィルタリング技術を導入することができます。
- 制約の追加: 積分制約や出力制約を追加することで、ハンチングを減少させることができます。特に、積分項が飽和している場合、ハンチングの原因となることがあります。
- サンプリング時間の調整: 制御ループのサンプリング時間が長すぎると、システムの応答が遅くなりハンチングが発生する可能性があります。サンプリング時間を短くして応答を高速化するか、あるいは制御ゲインを調整して対応します。
- 制御手法の見直し: 状況によっては、基本的なPID制御だけでは不十分で、より高度な制御手法やアルゴリズムの導入を検討する必要があります。
モータ制御のチューニングは経験と知識が要求される作業です。システムの特性や要求を十分に理解し、適切な方法で対応することが重要です。