中級者の電子工作者や組み込みシステムエンジニアが基礎を復習するのに最適な本「電子工作入門以前」

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「電子工作入門以前」という本を読みました。

本のタイトルは「入門以前」

ということで、入門よりも初心者。つまり超入門者が読むべき本と捉えられるかもしれません。

でも、中身は全然軽い感じではありませんでした!

電子工作の初心者が、ウォームアップに気軽に読んで、表面的な内容をあっさりと理解する

といった、浅い内容ではありません。

普通に、日ごろから業務で電子機器を扱う技術者が読んでも十分に歯ごたえのある内容です。

広く内容を網羅しているのは確か。

でも、その内容が結構深めです。

私は組込みシステムのエンジニアを10年以上やっていますが、知らない内容盛りだくさんでした。(私自身の知識が無さすぎ・・・というのもあるかもしれませんが・・・)

でも、Amazon のレビューを見ても、同じような感想を持ってる人がたくさんいます。

著者の後閑哲也さんは、東北大学工学部卒、マイクロチップ・デザインラボ設立をされている方。

※30日間無料体験のAmazonキンドルに加入すれば、その期間にキンドル本については無料で書籍が読めてしまいます。

組み込み系の中級者が基礎を勉強しなおすには最適な本「電子工作入門以前」

入門者、初めて電子工作をやる人が一発目に読むとドン引きするかも。

内容が難しくて、電子系の勉強が嫌になっちゃうかもしれません。

計算式もそれなりに出てきます。

難しい計算式はでてこないのですが、

「その式の数値はどこから持ってきた数値なの?どういう意味で、どういう背景でそういう計算をしているの?」

っていうのがわかりにくい箇所はあります。電子回路系の予備知識がないとちょっと理解できないところがちょこちょことあったからです。

  • 電子工作をある程度やってる人
  • 普通に電子機器を扱う仕事をしてる人

が、基礎的な内容を復習するというのにはばっちりの内容です。

初心者が読んで意味がないっていうことは全然ありません。ただし、歯ごたえがありますよってことです。

教科書的ではなく、内容が実務で使えるような実用的になっています。

「電子工作入門以前」でメモ書きした箇所

下記、私が今後の業務で使えるな、とか、知らなかったのメモ書きした

って内容を記載しておきました。

交流特性

ページ36

交流特性 最大値は下記の式で表せる

v(t) = VM * sin(ωt)

コイルとオペアンプの特性

ページ96

コイルは直流を通すが交流に対しては抵抗。高い周波数になるほど、大きな抵抗となる。

オペアンプには周波数特性があり周波数が高くなるほど増幅率が下がる

無料で使えるECADソフトウェア 

ページ116

  • CADLUSX: P板.com
  • DesignSpark PCB: RSコンポーネンツ
  • EAGLE CadSoft Computer
  • D2CAD, K2CAD
  • KiCAD:

分圧回路用の抵抗の使い方

ページ119

分圧されるVout側の先に接続されるものの入力抵抗は、十分高抵抗にしなければいけない。

RaとRbで直列に接続されていた場合、RaとRbの間から出てくるVoutに接続する抵抗RxとRbの関係。

Rout = Rb * Rx / Rb+Rx = Rb*Rx/Rx=Rb (Rx>>Rbの場合)

Rxが十分に大きいと、分圧回路で、接続先のRxのことを無視して分圧を考えればよい。

だから、Voutは、オペアンプなどの高抵抗なのものを接続するのがよい。

(並列抵抗は、R=Ra * Rb / Ra +Rb)

コンデンサのインピーダンス

ページ125

Zc = 1/ j2πfC= 1/ jωC = j / j^2 ωC  = -j * 1/ωC

例:

Cが1μFで、周波数が1KHzの場合、インピーダンスは、

 Zc = 1 / 2πfC = 1/ (6.28 *  1000 * 1*10^-6) = 159Ω

周波数を挙げると、抵抗値は小さくなる。

10KHzの場合、15.9Ω

100KHzの場合、1.59Ω

容量を上げてて抵抗値が小さくなる。

Cが10μFで、周波数が1KHzの場合、インピーダンスは、

 Zc = = 15.9Ω

1μFに比べて10倍電流が流れることになる。

MOSFETとオペアンプ

ページ135

デジタル信号で高電圧や大電流が必要な場合、つまりなんらかの電気機器をオンオフ制御する場合は、MOSFETがよく使われる。

一方、アナログ信号の場合、オペアンプを使った方がよい。安定して正確な増幅回路が設計しやすい。トランジスタだと、温度特性やトランジスタや周辺素子のばらつき、電源変動など設計が難しいため。

MOSFETの駆動

ページ139

MOSFETをマイコンから駆動する場合、ON/OFFの切り替わりに時間かかる。100nsec以上になることもある。

理由は、MOSFETのゲートにけっこう大きな寄生容量が含まれているため。(ON/OFF時に、寄生容量を充電あるいは放電させることを行うため)

—-

マイコンがCMOS構造の場合、0と1の論理が反転するときに大きな電流が瞬時に流れる。信号に変化がないときは非常にわずかな電流しか流れない。

トラブルが多いのはパルスの切り替わる瞬間の電源ノイズに関する問題。

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まとめ

冒頭でもいいましたが、

「電子工作入門以前」

いやいや、全然、「入門以前」の内容ではありません。

普通に業務で使える中級者向けの本です。

何年も組み込みシステムに関わる仕事をしていて、もう一度基礎を復習したいと言う方にバッチリの本です。

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