熱電対(ねつでんつい)は、異なる2種類の金属または合金が接続され、その接続部分が温度差を受けると電圧が生じる現象(熱電効果)を利用して、その電圧から温度を測定する装置です。
このとき生じる電圧は、接続部分の温度と、参照ジャンクション(基準点)と呼ばれる部分の温度差に比例します。
特徴として以下が挙げられます。
- 広い温度範囲での測定が可能。
- 小さくて軽く、応答が速い。
- 絶縁性があり、電気的ノイズに強い。
サーミスタとは
サーミスタは、温度に応じてその抵抗値が変わるセラミックスやポリマー製の素子です。特に、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタは温度が上がると抵抗値が下がる特性を持ちます。
特徴として以下が挙げられます。
- 高精度での測定が可能。
- 線形性が低いため、読み取りの際に補正が必要。
- 一般的には限定された温度範囲での使用が適している。
熱電対とサーミスタの違い
- 原理:
- 熱電対: 2種類の金属の接続部の温度差によって生じる電圧を測定。
- サーミスタ: 温度の変化に伴う抵抗値の変化を測定。
- 測定範囲:
- 熱電対: 広い温度範囲での測定が可能。
- サーミスタ: 限定された温度範囲での使用が適している。
- 精度と線形性:
- 熱電対: 線形性は高いが、精度はサーミスタより劣る場合がある。
- サーミスタ: 高精度で測定が可能だが、線形性が低い。
- サイズと応答速度:
- 熱電対: 小さく、応答が速い。
- サーミスタ: 素子のサイズや形状によるが、一般的には熱電対よりも応答が遅い。
まとめると、熱電対とサーミスタは温度測定の原理や特性が異なるため、使用状況や必要な精度、測定範囲に応じて選択する必要があります。