シングルエンドとI²C、SCI、UARTの違い
シングルエンドとは?
- シングルエンドは信号伝送方式の一つであり、**1本の信号線と基準電位(グラウンド)**で構成される。
- 信号の「高電位」または「低電位」に基づいて、データ(0または1)を表現します。
- 例: UARTやSCI(シリアルコミュニケーションインターフェース)はシングルエンド伝送を利用することが一般的。
I²C、SCI、UARTとは?
これらは通信プロトコルやインターフェース仕様であり、シングルエンド伝送を使用する場合もあれば、そうでない場合もあります。
- I²C(Inter-Integrated Circuit)
- 特徴:
- **2本のシングルエンド信号線(SDA, SCL)**を使用。
- マスター-スレーブ型の同期式通信。
- プルアップ抵抗が必要。
- シングルエンドと異なる点:
- 2本の信号線を使うが、片方(SDA)がデータ線として使われるため、厳密には「シングルエンド伝送に基づいたプロトコル」ともいえる。
- 特徴:
- SCI(Serial Communication Interface)
- 特徴:
- シングルエンド信号を使用する一般的なシリアル通信方式。
- フルデュプレックス通信(送信線と受信線が独立している)。
- シングルエンドとの関連性:
- 物理的にはシングルエンド伝送であり、直接的な対応があります。
- 特徴:
- UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)
- 特徴:
- 非同期シリアル通信方式。
- Tx(送信)とRx(受信)の2本のシングルエンド信号線を使用。
- シングルエンドとの関連性:
- シングルエンド伝送そのもので動作します。
- 特徴:
違いのまとめ
項目 | シングルエンド | I²C | SCI | UART |
---|---|---|---|---|
定義 | 信号線1本+基準電位での伝送方式 | 同期式通信プロトコル | シリアル通信インターフェース | シリアル通信プロトコル |
信号構成 | 1本の信号線(例: TxやRx) | SDA, SCLの2本 | Tx(送信)、Rx(受信) | Tx(送信)、Rx(受信) |
同期方式 | 伝送方式そのものには同期/非同期の区別なし | 同期式 | 同期式 | 非同期式 |
特徴 | 伝送方式(通信プロトコルとは別) | 通信プロトコル、同期式 | 通信仕様、フルデュプレックス通信可能 | 通信プロトコル、非同期式 |
まとめ: シングルエンドとプロトコルの関係
- シングルエンドは伝送方式であり、I²C、SCI、UARTはそれを利用する通信プロトコルやインターフェースです。
- I²Cは2本の信号線を使いますが、SDAとSCLが独立しているため、部分的にシングルエンドの概念に近いです。
- SCIやUARTは、シングルエンド伝送をそのまま使用します。
シングルエンドを基盤としてプロトコルが設計されているため、これらは完全に別物ではなく、相互に関連しています。ただし、シングルエンドそのものは通信仕様やプロトコルに依存しない、もっと基本的な電気的伝送方式です。
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