技適(技術基準適合証明) と CE認証 は、似た役割を持っていますが、対象地域や基準、手続きが異なるため、同じ意味ではありません。以下にその違いを詳しく解説します。
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目次
1. 技適(技術基準適合証明)とは?
- 対象地域: 日本国内
- 対象機器: 無線通信機器(Wi-Fi、Bluetooth、携帯電話など)や電波を発する電子機器。
- 基準: 日本の電波法および関連技術基準に適合していることを証明する制度です。
- 証明マーク: 「技適マーク(Rマーク)」が製品に付与されます。
技適のポイント
- 日本国内で無線機能を持つ製品を使用・販売するためには、必ず技適認証を取得する必要があります。
- 技適に合格しない機器(未認証機器)は、法的に日本国内で使用することができません。
- 試験は日本の認証機関(例: TELEC、JQA)で行われます。
2. CE認証とは?
- 対象地域: 欧州連合(EU)
- 対象機器: 無線機器を含む、幅広い製品(電子機器、医療機器、玩具、機械など)。
- 基準: EU指令(例: EMC指令、低電圧指令、無線機器指令)に適合していることを示します。
- 証明マーク: 「CEマーク」が製品に貼付されます。
CE認証のポイント
- CE認証はEU市場で製品を販売するための必須要件です。
- CE認証の中でも、無線機器は**RED(無線機器指令)**に適合する必要があります。
- 試験はEU内外の認証試験機関(例: TÜV、SGS、Intertek)で実施されます。
3. 技適とCE認証の違いの比較
項目 | 技適(日本) | CE認証(EU) |
---|---|---|
対象地域 | 日本 | 欧州連合(EU) |
対象機器 | 無線通信機器、電波を発する電子機器 | 電子機器全般(無線機器含む) |
適合基準 | 電波法および日本独自の技術基準 | EU指令(EMC、RED、低電圧指令など) |
証明マーク | 技適マーク(Rマーク) | CEマーク |
取得の義務 | 日本国内で使用・販売する場合に必須 | EU市場で販売する場合に必須 |
取得方法 | 日本の認証機関による試験と認証 | 欧州の認証基準に基づく試験と自己適合宣言 |
4. 技適とCE認証の関係性
- 技適とCE認証は、どちらも「製品が電波や安全性に関する基準に適合していることを示す証明」ですが、適用される法規制や基準が異なります。
- 技適は日本国内向け、CE認証はEU市場向けの基準です。
5. 製品を両市場で販売する場合
製品を日本とEUで販売する場合、両方の認証を取得する必要があります。具体的には以下の手順になります:
- 日本向け: 技適認証を取得し、技適マークを付与。
- EU向け: CE認証を取得し、CEマークを付与。
6. 結論
- 技適: 日本国内で無線機器や電波を発する製品を使用・販売するために必要。
- CE認証: 欧州連合(EU)で製品を販売するために必要。
- どちらも国際的な販売には必須ですが、取得の手順や試験基準は異なります。
ポイント: 日本国内およびEUで製品を販売する場合は、技適とCE認証を両方取得する必要があります。それぞれの市場に対応した規格・認証機関で手続きを進めましょう。