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目次
組み込みエンジニアの新人教育(OJT)の全体像
組み込みエンジニアの新人教育では、以下の3つのステップを軸に構成します。- 基礎知識の徹底
- マイコンや周辺機器、C言語など、基本的な技術を理解させる。
- 実践的な課題への挑戦
- 開発現場で直面するようなタスクを通じて、「難しさ」と「楽しさ」を体感させる。
- チーム開発の体験
- 個人のスキルだけでなく、チームでのコミュニケーションやタスク管理も学ばせる。
基礎知識を叩き込む:最初の一歩
1. 組み込みシステムの基本を理解する
:マイコンとは何か?
- 目的:マイクロコントローラー(マイコン)の役割を知る。
- 内容:
- マイコンの構造(CPU、メモリ、周辺回路)。
- データシートを読み解く練習。
- 実際の回路上でマイコンを確認。
使用する言語の基礎(C言語)
- 目的:組み込み開発の基本言語であるC言語を学ぶ。
- 内容:
- 基本的な文法や構造を理解。
- シンプルなプログラム(例:LEDを点灯させる)を実装。
周辺機器の基礎知識
- 目的:センサーやモーターなど、周辺機器との接続を学ぶ。
- 内容:
- I2CやSPIなど通信プロトコルの概要。
- 実際にセンサーを接続し、データ取得を行う。
実践課題で現実の厳しさを体感させる
2. 難しい課題に取り組ませる
初期化プログラムの作成
- 目的:シンプルなタスクの裏にある複雑さを知る。
- 内容:
- GPIOやクロック設定を含むマイコンの初期化。
- 一見簡単そうなLED点滅プログラムを0から作成。
デバッグの訓練
- 目的:動かないプログラムを修正するスキルを習得。
- 内容:
- 意図的にエラーを含むプログラムを提供し、デバッグさせる。
- デバッグツール(JTAGやシリアルモニタ)の使い方を実践。
ハードウェアとソフトウェアの連携
- 目的:組み込みシステムの「全体感」を理解する。
- 内容:
- センサーからデータを取得し、LCDに表示するプログラムを作成。
- ハードウェアの制約を考慮したプログラム設計。
チーム開発の重要性を学ぶ
3. チームで仕事を進める力を養う
コードレビュー
- 目的:他人のコードを理解し、改善点を見つける。
- 内容:
- 自分以外のメンバーが書いたコードをレビューし、コメントを記述。
- チームで共有することで「品質管理」の重要性を実感。
プロジェクト管理ツールの使用
- 目的:タスク管理や進捗確認のスキルを習得。
- 内容:
- JIRAやRedmineを使ったタスクの作成と追跡。
- チーム全体でのスケジュール管理の体験。
難しい世界であることを伝える教育の意図
組み込みエンジニアが抱える3つの課題
- 膨大な知識の必要性:プログラミングだけでなく、ハードウェアや電気回路の知識が不可欠。
- バグとの戦い:デバッグには時間と忍耐が求められる。
- 期限へのプレッシャー:製品開発には厳しい納期が設定されることが多い。
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