アパッチライセンス 2.0(Apache License 2.0)は、オープンソースソフトウェアのライセンスの1つで、ソフトウェアを自由に使用、変更、配布することを許可するライセンスです。Apache Software Foundation(ASF)によって提供されています。
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目次
主な特徴
- 商用利用が可能
アパッチライセンスの下で公開されたソフトウェアを商用目的で使用することができます。 - ソースコードの変更と再配布
ソースコードを自由に変更し、改変したソフトウェアを再配布することが可能です。 - 特許権の明示
使用者に特許権を付与する条項が含まれています。これは、特許訴訟のリスクを軽減するための仕組みです。 - ライセンス表示の義務
再配布する際には、オリジナルの著作権表示やライセンスのコピーを残しておく必要があります。 - 免責条項
提供されたソフトウェアは「現状のまま」で提供されるため、使用に伴うリスクや損害については開発者や提供者が責任を負いません。 - 変更箇所の明示(オプション)
ソースコードを改変した場合、その改変箇所を明示することが推奨されていますが、必須ではありません。
適用例
- Apache HTTP ServerやHadoopなどのASFプロジェクトで採用されています。
- その他、多くのオープンソースプロジェクト(GoogleやAmazonの一部プロジェクトなど)でも利用されています。
利用時の注意点
- ライセンス継承の義務がない
アパッチライセンスの下で公開されたソフトウェアを使用して新しいソフトウェアを作成した場合、必ずしもそのソフトウェアをアパッチライセンスで公開する必要はありません(GPLとは異なる点です)。 - ライセンス条件の遵守
再配布時に元の著作権表示やライセンス文書を保持するなど、ライセンス条件を守る必要があります。
アパッチとは そもそも どういう意味?
「アパッチ(Apache)」は、元々はアメリカ先住民のアパッチ族(Apache)を指す言葉です。これが由来となって、さまざまな分野で「アパッチ」という名前が使われていますが、文脈によって異なる意味を持ちます。
1. アパッチ族
- アメリカ南西部やメキシコ北部に居住していた先住民族グループの一つです。
- 戦略的な戦闘技術と勇敢な性質で知られ、19世紀にはアメリカ軍との抗争で名を馳せました。
2. ソフトウェア分野でのApache
- Apache Software Foundation (ASF)
「Apache」という名前は、主にASFの提供するオープンソースプロジェクトに関連しています。Apache HTTP Serverが特に有名です。 - 名前の由来:
ASFの創設者たちは、アパッチ族の精神や歴史的な背景に敬意を表してこの名前を選びました。特に「協力やコミュニティ精神」が、ASFの理念と一致していると考えられたためです。
3. ヘリコプターのApache
- 軍事分野では、アパッチ攻撃ヘリコプター(AH-64 Apache)で知られています。
- これはボーイング社が製造した戦闘用ヘリコプターで、アパッチ族の強さや戦略性にちなみ命名されました。
4. 日本でのスラング的用法
- かつて、日本で「アパッチ」と呼ばれるスラングがありました。特に1970年代のドラマや漫画などで、不良や荒々しい性格のキャラクターを指す表現として使われたことがあります。
- これは直接的にはアパッチ族とは関係がないものの、「野性味」や「たくましさ」をイメージしたものと思われます。
「アパッチ」という名前は、勇敢さや協力精神、強さといったイメージを表現するために多くの場面で使われており、Apache Software Foundationもその例の一つです。文脈によって意味が異なるので、どの分野で使われているかを確認すると良いでしょう。
ライセンス全文の確認
詳細は、以下の公式ドキュメントで確認できます:
Apache License 2.0 – Apache Software Foundation
このライセンスは、柔軟性が高く商業利用にも適しているため、多くの開発者や企業に支持されています。