RISC-V(リスク・ファイブ)は、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)として、近年急速に注目と採用が進んでいます。以下に、RISC-Vの最新動向と主要企業の取り組みをまとめます。
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1. RISC-Vの採用拡大
- NVIDIAの取り組み: NVIDIAは、2024年に約10億個のRISC-Vコアを自社製品に搭載して出荷する計画を発表しました。これは、同社の次世代チップにおいて、データ処理、電力管理、セキュリティ機能などでRISC-Vが中心的な役割を果たすことを示しています。
- ルネサス エレクトロニクスの動向: 2023年11月、ルネサスは独自開発の32ビットRISC-Vコアを発表しました。これにより、同社の32ビットマイコンポートフォリオがさらに充実し、IoT機器、家電、ヘルスケア、産業用システム向けにオープンでフレキシブルなプラットフォームを提供する計画です。
2. グローバルな動向
- アメリカと中国での開発: RISC-Vの開発は、アメリカや中国を中心に進行しています。NVIDIAやWestern Digital、Intel、Qualcomm、Broadcomなどの主要半導体メーカーが推進しており、スタートアップ企業も多数参入しています。
- ヨーロッパでの取り組み: ヨーロッパでも、半導体企業5社が共同出資してRISC-Vのリファレンスデザイン回路ボードを提供する会社を設立するなど、活発な動きが見られます。
3. 市場予測
- AI SoC市場での成長: Semico Researchのレポートによれば、RISC-VベースのAI SoC(System on Chip)は、2027年までに年平均成長率73.6%で成長すると予測されています。これは、AI分野でのRISC-Vの採用が急速に進むことを示唆しています。
4. 日本での取り組み
- デンソーとルネサスの活動: 日本では、デンソーとルネサスがRISC-Vの開発を進めています。特にルネサスは、独自のRISC-Vコアを開発し、製品ラインナップに加える動きを見せています。
まとめ
RISC-Vは、オープンソースのISAとして、その柔軟性とコスト効率の高さから、世界中の主要企業や地域での採用が加速しています。特にAIやIoT分野での需要が高まっており、今後もその成長が期待されます。