モータの停止はショートブレーキとゲートAll Hi-zのどちらがよいか?

モータを制御する上で、その停止方法は非常に重要な要素となります。特に、高精度や迅速な反応が求められるアプリケーションでは、適切な停止方法を選択することがクリティカルです。本日は、モータの主な停止方法である「ショートブレーキ」と「ゲートAll Hi-z」の違いや特徴、それぞれの利点や欠点について詳しく解説します。

あなたのプロジェクトやアプリケーションに最適な方法はどちらか、一緒に見ていきましょう。

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1. ショートブレーキとは?

1.1 基本的な仕組み

ショートブレーキは、モータの端子間を短絡させることでモータを停止させる方法です。この方法により、モータ内の回転エネルギーが電気エネルギーとして抑えられ、モータは急速に停止します。

1.2 利点と欠点

ショートブレーキの最大の利点は、迅速にモータを停止できることです。これは、高い精度や反応速度が求められるアプリケーションで有利です。しかし、短絡による大きな電流が流れるため、モータやドライバに負荷がかかり、熱が発生する可能性があります。


ショートブレーキの欠点への対策:

  1. 電流の急激な増加:
    • 対策: モータドライバに過電流保護機能を持つものを使用します。この機能により、電流が設定値を超えると自動的にドライバがオフになり、モータやドライバを保護します。
  2. 熱の発生:
    • 対策: モータやドライバの熱を放散させるために適切なヒートシンクや冷却ファンを使用します。
  3. 急停止による機械的なストレス:
    • 対策: モータの速度を段階的に減少させるソフトブレーキングアルゴリズムを実装します。これにより、モータの停止を滑らかにし、機械的なストレスを軽減します。

2. ゲートAll Hi-zとは?

2.1 基本的な仕組み

ゲートAll Hi-zは、モータドライバのゲートを全て高インピーダンス状態にすることでモータを自由回転状態にする方法です。この方法では、モータは外部の抵抗や摩擦によって自然に停止します。

2.2 利点と欠点

ゲートAll Hi-zの主な利点は、モータやドライバに追加の負荷や熱を発生させずにモータを停止させることができる点です。しかし、ショートブレーキと比べると、停止までの時間が長くなる可能性があります。


ゲートAll Hi-zの欠点への対策:

  1. 不完全なブレーキ効果:
    • 対策: 制御アルゴリズムの中で、Hi-z状態にする前にモータの速度を段階的に減少させることで、不完全なブレーキを部分的に補うことができます。
  2. EMI(電磁干渉):
    • 対策: シールドケーブルの使用やノイズフィルタの導入、適切な接地手法を用いることでEMIを低減します。
  3. 回生電力の発生:
    • 対策: モータドライバや制御回路に、回生電力を吸収するための専用の回路を組み込みます。また、過電圧保護機能を持つドライバを選択することで、回生電力による過電圧を防ぐことができます。
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3. 結論:どちらを選ぶべきか?

どちらの方法が優れているかは、アプリケーションの要件や目的によって変わります。迅速な停止が必要な場合や、定位置での精度が要求される場合はショートブレーキが適しています。一方、モータの耐久性やドライバの寿命を優先したい場合、または緩やかな停止が許容される場合は、ゲートAll Hi-zの方が適しているかもしれません。

最終的には、使用するモータの仕様、動作環境、制御要件などを慎重に検討して、最適な停止方法を選択することが重要です。

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