RL78やRXのルネサスマイコンは主流ではない?RZやRAなどARMコアのMCUが主流?

RL78やRXといったルネサスの独自コアを採用したマイコンが「レガシー製品」か、「主流ではなくなったか」という問いに関しては、用途や市場の状況によって異なるため、単純に「はい」「いいえ」で答えることは難しいです。それぞれのコアについての現状と、RZやRAシリーズのようなARMコアのMCUが主流化している背景を整理して解説します。

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1. RL78やRXの現状

RL78シリーズ(低消費電力の8/16ビットマイコン)

  • 現在も主要な市場で活躍
    • RL78は、低消費電力性能コスト効率が重要視される市場で依然として広く使われています。
    • 家電、センサー、電力計、産業機器などで主流。
    • 特に、簡単な制御やIoT端末のような小型・低電力デバイスでは、未だに大きな競争力があります。
  • 新製品が登場し続けている
    • ルネサスは依然としてRL78の新製品をリリースしており、製品ラインアップの充実に注力しています。
    • 最近のRL78/G23などでは、IoT向けに静電容量タッチセンサーやBLE(Bluetooth Low Energy)といった機能を強化。

RXシリーズ(32ビット汎用マイコン)

  • 高性能と低消費電力を両立
    • RXシリーズは、高い処理性能消費電力の低さが評価され、産業機器やモーター制御、家電製品などで依然として主力です。
    • 特にRX600シリーズやRX700シリーズでは、セキュリティ、通信機能、高速演算性能を強化。
  • 長寿命製品としての需要
    • 産業機器では、設計変更を避けるための長寿命サポートが求められます。RXシリーズは、この点で信頼性が高く、既存の製品ラインで長期にわたり使用されています。
  • 課題
    • ARMコアの普及による開発ツールやエコシステムの充実度で見劣りする点があり、新規設計で採用されることが減少傾向にある可能性があります。

2. RZやRAシリーズのARMコアMCUの主流化

RAシリーズ(汎用32ビットマイコン)

  • ARM Cortex-Mコアの採用
    • RAシリーズは、ARM Cortex-Mコアを採用し、開発エコシステム(例えば、ARM Keil、IAR Embedded Workbench、CMSISなど)の活用が可能。
    • 汎用性と柔軟性に優れ、セキュリティ機能や通信機能を強化しており、IoTやスマート家電、産業用機器など幅広い市場で採用が進んでいます。
  • 新規設計での優位性
    • グローバル標準のARMコアを採用することで、開発者が既存の知識やツールを流用しやすく、新規設計では特に採用が進んでいる傾向があります。

RZシリーズ(高性能MPU)

  • 高性能アプリケーション向け
    • RZシリーズは、ARM Cortex-Aコアを採用し、LinuxやRTOSを利用可能な高性能MPUとして、組み込み機器の中でも特に処理能力が求められるアプリケーションに適しています。
    • 画像処理、AI推論、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、ネットワーク機器での利用が主。
  • 差別化ポイント
    • 高性能なグラフィックス処理やAI機能(DRP: Dynamically Reconfigurable Processor)を搭載するモデルがあり、差別化が図られています。

3. ARMコアの普及とルネサス製品の位置づけ

ARMコアが主流化している背景

  • エコシステムの充実
    • ARMコアはグローバルで広く採用されており、開発ツール、ミドルウェア、ライブラリが豊富。これにより、開発期間の短縮が可能。
  • 人材の確保が容易
    • ARMアーキテクチャは業界標準化されており、開発者にとって馴染み深い。
  • コスト効率
    • 多くのサードパーティのサポートを受けられるため、開発コストの削減が可能。

ルネサスの戦略

  • RL78やRXは特定の市場(低消費電力や産業機器など)で依然として重要なポジションを占めていますが、新規設計ではRAやRZのようなARMコア製品のラインアップを強化しています。
  • つまり、ルネサスは市場や用途に応じた柔軟なラインアップを展開し、両方のアーキテクチャを活用している状況です。
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4. 結論:RL78やRXはレガシーか?

  • 「レガシー製品」とは言えない
    • RL78やRXは依然として多くの市場で使われ、特に産業用機器や家電、低消費電力分野で主流です。
    • 既存の設計や長寿命が求められる分野では、これからも需要が続くと予想されます。
  • 新規設計ではRAやRZが優勢
    • 新しい設計案件やIoT、AI、セキュリティが求められる分野では、ARMコアを採用したRAやRZシリーズの優位性が目立ちます。

最終的に、どのコアが「主流」かはアプリケーションや市場のニーズ次第です。RL78やRXがまだ現役で活躍している一方で、RAやRZは未来の設計を見据えた主流製品としての地位を確立しつつあります。

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なんだかなあ、週末、長期連休になるたびに今の会社の仕事が嫌になるときってあります。

人生短いですからね。

今は人手不足だし、がまんしすぎる必要はないですね↓

テックハブニュービー

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